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南アフリカ・ヨハネスブルグで暮らすノマドワーカーのつぶやき

南アフリカ:ホワイトカラーの働き方

ヨハネスブルグに来て気がついた、日本との大きな違いの一つに(もちろん、違うことなんてたくさんあるのですが)ホワイトカラーと呼ばれるオフィスワーカーの人たちの働き方があります。

 

東京のラッシュアワーは、朝は8時~9時、夜は20時~22時くらいといったところでしょうか。

ここ、ヨハネスブルグの道路が、帰宅ラッシュで混雑するのは16時~17時くらい。多くの人がこの時間にオフィスを後にします。

近年、ヨハネスブルグのビジネス街には、多くのコワーキングスペースができているのですが、17時を過ぎるとほとんど人はいません。

 

毎日夜遅くまで働いている日本のサラリーマンのライフスタイルとは大きく違います。

街の中心部のジムが一番混み合うのは、平日の17時過ぎ頃だとか。

 

そのため、働きながら学校に通う人も多くいます。

マスターを受講しながら、フルタイムで働く、なんてことも珍しくないそうです。

 

日本でコンサルと名のつく業界にいた私にとっては、ものすごく羨ましい状況・・・

 

ただ、こんな南アフリカの状況に対してもいろいろな見方があるよう。

以下、南アフリカ人の意見をいくつか紹介します。

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■経済発展に繋がりにくい

日本で企業への勤め人になると、長時間労働は当たり前。企業に尽くす、といった様な文化があるように感じるのは私だけではないはずです。

南アフリカでは、生産性に対して比較的賃金が高い上に、労働者が17時以降にはみんな帰宅してしまいます。一度雇用すると、企業側も簡単に首を切ることはできません。そのため、労働生産性の観点から、この働き方に対して、ネガティブな面を指摘する人もいました。

南アフリカの経済を見てみると、ものすごく良いとは言えない状況であることは事実。

もちろん労働生産性だけが原因ではないですが、南アフリカは人材の質に比べ給与水準が高いことは、海外進出を図る企業人の中でも言われていることでもあります。

 

■仕事と学業を両立する人には、非特権階級の人が多い

ヨハネスブルグに来てから、圧倒的にアフリカ系の人と話すことが多く、彼ら曰く仕事と学業を両立することは一般的。しかし、アパルトヘイト時代の特権階級=欧米系の人になると、この傾向は薄くなるのだそう。

働きながら学ぶ、というのは、経済的・社会的に恵まれていない家庭の人の間でより一般的なのだそう。ホワイトカラー、私が働いていた業界(コンサルティング)のようなところだと、MBA等マスターレベルの勉強をしているひとも多くいますが、日本で言う高専のようなレベルでも、家庭の経済状況から、働きながら学校に通っている人も多いそう。

つまり、教育は、非特権階級と特権階級のギャップを埋めるための投資ということになります。

 

■学位をもっていても、仕事がない

働き方と学校について考察してきましたが、これまでは既に職を持っている人の話。

南アフリカでは、若者の失業率が世界トップレベルで高いのです。

大学卒の若者の失業率は24歳以下で33.5%、25歳から34歳で10.3%。

エコノミストの国別若者の失業率ランキングでは、コソボに次ぐ世界2位(私が卒論で書いたパレスチナより悪い・・・)(2018年)。

Youth unemployment still high in Q1: 2018 | Statistics South Africa

tradingeconomics.com

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南アフリカは、まだまだ社会経済的に課題を抱えています。

若くして職に就けない人も大勢いるのです。仕事があり、17時に帰宅することができたとしても、働きながら勉強することは決して簡単ではありません。

 

はじめはいたずらに、「なんてゆとりのある働き方!」と思っていましたが、考えさせられました。