動機はいつだって不純

南アフリカ・ヨハネスブルグで暮らすノマドワーカーのつぶやき

結婚と共有財産について―"それってフェアじゃないね"

前回の記事、思ったより反響があってびっくりしています。

まだまだ、絶賛手続き中ですが、なるほどな、とおもったことがあるので、書き留めておこうと思います。

 

 

結婚したら、財産の管理ってどうしているの?

突然ですが、みなさん結婚したら、夫婦の財産(不動産や貯金などいろいろ)はどのように管理していますか?

日本だと、法律的に特に決まりはないみたいですよね。

インターネットでちょっと調べた限りなので、どこまで正しいかはわかりませんが、日本であれば、特別な取り決めをしない限り、夫婦別財産制みたいですね。

結婚後に一緒に購入したもの(家具やマイホーム)は共有財産になるみたいですが、基本的には、財産は個人に帰属するものを考えられているようです。

 

 

最近は、夫婦共働きとかも多いので、その場合は、別々で管理しているのでしょうか?

とすると、万が一離婚とかしたときはどうするのでしょうか?

財産を別々に管理していたら、まあ別れたときに楽ですよね。それぞれ個人で管理していたものが、それぞれの持ち物になる。

専業主婦の場合は、財産のほとんどが夫の名義になっていることも多々あったりすんじゃないでしょうか。

 

南アフリカでは、何もしなければ自動的に共有財産になる

日本は基本的に別財産なので、「誰の名義にするか」によって、夫婦間でどちらが財産をもっているかが異なるようですが、南アフリカでは、基本的に共有財産制(※)がとられています。

結婚前に持っていた不動産などは例外ですが、結婚すると夫婦は一つの経済共同体とみられ、不動産や口座などは二人のもの。財産にかかわる大きな決断には、二人の合意が必要になるようです。(びっくり!)

また、二人のうちいずれかが訴えられたら、たとえ共働きであっても、二人の財産が没収されてしまうリスクがあるということです。

 

ただもちろん、手続きをすれば、別財産制にすることもできます。そのためには特別な書類を提出し(その書類に別所有の対象となるものを記載する)、家庭裁判所のようなところに提出する必要があります。

別財産制にもやり方は2つあるといいます。

①別財産制+どちらかの死後は共有財産になる

②別財産制(死後も別財産)

私たちは、①を選択し、手続きを踏んでいます。リスクヘッジの意味合いが大きいです(相手が自営業、不動産をやる人なので)。どちらかが亡くなったら、遺産がまるまるパートナーのものになります。

 

「それってフェアじゃないよね」というコメント

自分たちがどのような選択をするか、話し合っていた時に、日本の制度の話をしました。

それを聞いてパートナーが言った言葉は

「…それってフェアじゃないよね?」

 

どうしてこんな言葉が出てきたかというと

  • 日本はもともと専業主婦が多い
  • 今は共働きが多いといっても、男女間で大きな賃金格差がある
  • 一緒に家庭を作っているのに、共有財産制でなければ明らかに女性のほうが財産が少なくなる
  • 万が一のこと(離婚など)があったときに、大変な目に合いやすいのは明らかに女性側

というロジックからだそう。

 

なるほど確かに。

 

そういう観点で考えたことはなかった。でも、共有財産制でない、ということは仕事と家庭と、どちらも大切な役割であって、トレードオフとして夫婦で役割を担ってきたのに、一方は財産がたまり、他方はたまらない、不均衡な状態が生まれてしまいかねないのですね。

 

日本だと共有口座をつかっても名義人はひとり

daily-ands.jp

このサイトにも書いてありますが、日本であればたとえ共有口座をつくっても、名義人が例えば夫であれば、共有財産であったことが立証できなければ、夫が死別した時に、相続税がかかってしまうことがあるようです。

 

たしかに、一緒に家庭を作ってきたのに、フェアじゃない、という見方もできる気がします。

 

本当にフェアかフェアじゃないか、どちらの制度がいいか、という話でもなく、いろんなカップルの在り方に合わせて、選択ができるといいですね。

 

ということで、本日はこれまで。