動機はいつだって不純

南アフリカ・ヨハネスブルグで暮らすノマドワーカーのつぶやき

ヨハネスブルグ・ギャラリー巡り①Art Eye Gallery

こんにちは。ヨハネスブルグ在住、ばんです。

ビザや結婚などいろいろ落ち着いてきたので、ヨハネスブルグをエンジョイしたいな、と思い、週末ギャラリー巡りをすることにしました。

東京に住んでた時も、結構頻繁にアート施設を巡っていて、ちょっと前のトリエンナーレのはやりの時も、わざわざ首都圏外にも行っていました。

インドのアートフェスティバルのボランティアまでしたくらいなので、結構好きなんだと思います。

 

南アフリカのアート事情

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ケープタウンにあるモダンアート美術館

前から気が付いていましたが、ヨハネスブルグに限らず、南アフリカにはギャラリーがたくさんあります。

東京みたいに「美術館」という形のところは少ないのですが、アトリエ兼ギャラリーみたいなところが所々にあるんですね。

南アフリカは、ヨーロッパにルーツを持つアフリカーナ―やイングリッシュ、アフリカルーツのコサやズールー、スツワナ、そしてインド系の南アフリカ人アーティストもいますし、南アフリカ以外のアフリカ諸国から来たアーティストたちも個展を開いているようです。

 

ギャラリーへの訪問を通して見聞きしたことや、それぞれのギャラリーについての個人的記録をしていこうと思います。

 

きっかけをくれたアーティストへ

とはいえ、ロケーションの良いところに住み、日々細かいことに追われていて、なかなかギャラリーにまで足を運べていなかった私たちの背中を押してくれたのは、あるアーティストとの出会いでした。

南アフリカでは、知らない人と「友達」となる障壁が低いのですが、パートナーが駅からでて歩いてた時、ふとした流れで知らない人と立ち話することになったそうです(こういうことがたまにあるんですよ!笑 カフェで知らない人と話したり…)。

その彼がアーティストで、所属しているギャラリーを教えてくれました。

この不思議なつながりから、そのギャラリーに行ってみることになったのです。

出会ったアーティストは、Thokozani Mthiyaneさん

www.aliveart.co.za

 

Art Eye Gallery

そんなこんなで訪れたギャラリーは"Art Eye Gallery"。

 

arteye.co.za

 

サントン地区という、日系企業をはじめとしてインターナショナル企業や駐在員が住んでいるような所得の高い人が住んでいるエリアにありました。

 

Webサイトで見たイメージより、こじんまりとしたギャラリーだな…と思いつつ中に入ると、フレンドリーなオーナーさんが話しかけてくれて、1時間半くらい話し込んでしまいました。

 

「私は、アート作品を売っているんじゃなくて、ストーリーを伝えているんだ」

「この場を通して人がつながっていくことがうれしいよ」

という彼。

ユダヤ系アフリカーナ―の方のようで、アイデンティティでもあるユダヤの話や、南アフリカの多様性の話をしてくれました。

 

ヨハネスブルグは、いろんなバックグラウンドの人が同居しているから面白いんだ。昔スウェーデンでアートの仕事をしたけど…駄目だね。色がない。ケープタウンでも仕事をしたけど、ここよりももっと人種間の壁があるんだ。ヨハネスブルグはもっと人が入り乱れてる。同じアフリカ系のひとのグループがいるとして、一見同じバックグラウンドの集まりだと思うけど、一人はスツワナで、ズールーがいて、モザンビーク人がいたりする。アートをするにはヨハネスブルグが一番エキサイティングだよ」

「アーティストたちは、いわば他の惑星から来た人たちなんだ。そういう人たちも、世の中には必要だろ?肌の色とかそういう枠組みにとらわれず、何かを追求する」

「たまに『黒人アーティストの作品を買いたい』っていう人がいるんだけど…なにそれ?作品をみて作者の肌の色がわかるんならいいけど、そうじゃなくて作品それ自体がもつストーリーをみてほしいんだ」

 

私に対しても、南アフリカ出身?とまず聞いてきた彼。(実際に中華系で南アフリカ国籍・南アフリカ生まれの人はたくさんいる)

多様なものが入り混じることによる化学反応を楽しんでいるようでした。

 

たしかに、東アジア人としてヨハネスブルグで暮らしていても、特に都心であれば、外国人や観光客として扱われることはほとんどない。

それがこの場所の心地よさでもあるかもしれないなあ、とふと思ったりしました。

(が、反対に、南アフリカ生まれ、コサ系のパートナーは(おそらく顔立ちと英語のアクセントで)外国人扱いされることが多かったりします笑。それもまたヨハネスブルグの多様性を表しているのかもしれません)

 

 

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ふらっと立ち寄って、作品や訪問者のストーリーをつないでいく。

なんだか素敵な生き方だと感じた、週末の出来事でした。